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2025 4.30

MCナイロン加工とは?特徴・用途・加工方法を徹底解説

MCナイロン(モノマーキャストナイロン)は、工業部品に広く使われる青色のエンジニアリングプラスチックです。一般的な6ナイロンの弱点を克服し、高い機械的強度・耐摩耗性・耐熱性など優れた性能を持ちます。

近年は金属部品の代替材料としても注目され、軽量化やメンテナンス性向上に貢献しています。本記事では、MCナイロンの基礎知識からグレード別の特徴、加工方法、他素材との比較、さらに加工時の注意点まで徹底解説します。調達担当者の方が押さえるべきポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

 

MCナイロンとは?素材の特徴と種類

MCナイロンとは「モノマーキャストナイロン」の略で、ナイロンモノマーを金型内で重合させて成形する特殊な製造法で作られる樹脂です。通常のナイロン樹脂(PA6)は、あらかじめ重合したペレットを射出成形や押出成形しますが、MCナイロンはモノマーを金型に注入し、その中で重合反応と成形を同時に行うのが特徴です。

この製造方法(キャスト法)により、成形時の内部ひずみが小さく抑えられ、より高性能で大型肉厚の成形品を作ることが可能になっています。 MCナイロンの素材自体は6ナイロンと同じポリアミド系ですが、キャスト法によって分子量が大きく結晶化度が高いため、従来のナイロンに比べ下記のような特徴があります。

 

・機械的強度が高い:引張強度・曲げ強度などが向上し、荷重がかかる部品でも使用可能です。

・耐摩耗性に優れる:摩擦係数が低く自己潤滑性を持つため、摺動(スライド)用途で長寿命です。

・耐熱性が向上:連続使用温度は約120℃と高く、短時間ならそれ以上の温度にも耐えます。

・耐薬品性:有機溶剤や油に強く、工業用途で扱う薬品にも比較的耐性があります(ただし強酸には弱い)。

・電気絶縁性:金属と異なり絶縁体であり、電気部品の絶縁材料としても使われます。

 

また、MCナイロンは素材に着色しやすく、代表的な標準グレードは青色をしています。この青いプラスチックは識別性が高く、日本では「MCナイロン=青」というイメージが定着しています(食品工場などで異物混入防止のためにも青が好まれます)。

MCナイロン材料は主に板材や丸棒(ロッド)、パイプ状で供給され、それらを必要な形状に切削加工して部品を製作します。用途に応じて様々なグレード(種類)が存在し、次章で代表的なグレードについて説明します。

 

MCナイロンのグレード別の特徴

MCナイロンには用途に応じて添加剤や配合を変えた各種グレードがあります。
代表的なグレードとその特徴は以下の通りです。

MC901(基本グレード)

最も標準的なMCナイロンです。一般の6ナイロンに比べて機械強度・耐摩耗性・耐熱性・耐薬品性がバランス良く優れています。高荷重下でも摩耗しにくく、加工性も良好です。色は鮮やかな青色で、MCナイロンといえばこの青が象徴的です。機械部品全般(ギア、ローラー、軸受、ライナー、車輪など)に幅広く使われています。

 

MC900NC(基本グレード・ナチュラル)

MC901と性質は同等で、無着色の生成(アイボリー色)のものです。色以外の特性はMC901と同じですが、食品機械など色移りを嫌う用途ではナチュラル色が使われます。

 

MC801(耐候グレード)

MC901に特殊グラファイト(黒鉛)を添加し、耐候性(屋外耐久性)を高めたグレードです。紫外線や雨風に晒される屋外環境でも劣化しにくく、同時に耐摩耗性・すべり特性も向上しています。色はメタルブラック~濃灰色。建設機械の摺動プレートや屋外設備の軸受けなど、屋外で使用される部品向けです。ただし添加剤により若干の導電性を持つため、絶縁用途には適しません。

 

MC703HL(摺動グレード)

MC901に特殊潤滑剤を配合して自己潤滑性をさらに高めたグレードです。摩擦係数が非常に低く、動摩擦・静摩擦ともに小さいため、スティックスリップ(滑り不均一によるビビリ現象)を抑制できます​。色は判別しやすい紫色で、ガイドレールや軸受、搬送装置の部品など摩擦抵抗の低減が求められる箇所に多用されます。ただし潤滑添加剤が含まれるため、食品や医療用途には使えない点に注意が必要です。

 

MC602ST(高強度・耐熱グレード)

MC901をベースに耐熱剤の添加などで機械的強度と耐熱温度を向上させたグレードです。連続使用温度が約150℃まで向上し、高温下でも機械強度を保ちます​。色は茶色系。過酷な環境で使う歯車やベアリング、ライナー類、治具などに適しています(※酸性の強い食品環境では使用不可)。

 

MC501系(導電・帯電防止グレード)

MC901にカーボン系の導電フィラーを添加して、樹脂に導電性または静電気の帯電防止性を持たせたグレードです​​。色は黒色が基本。電子部品製造装置や半導体製造装置の部品、クリーンルーム内で使うパーツなど、静電気によるホコリ付着を避けたい場面で活躍します。種類としては高導電の「MC501CD」や高抵抗の帯電防止「MC501AS」など複数ありますが、いずれも静電気対策用の特殊グレードです。

以上のように、MCナイロンには基本性能をベースに目的別に改良された種類が存在します。用途に応じて最適なグレードを選ぶことで、より長寿命かつ高性能な部品設計が可能です。ただしナイロン全般に共通する特性として「吸水性があることによる寸法変化」は避けられません。MCナイロンも例外ではなく、グレードを問わず水分を吸収すると膨張して寸法が増加します​​。

 

MCナイロンの加工方法(切削・溶接・熱処理)

MCナイロン部品の製造では、切削加工を中心に様々な加工方法が取られます。ここでは主な加工法とポイントについて解説します。

切削加工(旋盤・フライス・穴あけ等)

MCナイロン素材(板や丸棒)から必要な形状を削り出す方法です。金属加工用の旋盤やマシニングセンタで加工できます。MCナイロンは被削性が高く、切削しやすい材料ですので、刃物選定と条件設定を適切に行えば高精度な加工が可能です。ただし樹脂のため加工熱に弱く、摩擦熱で溶けたり変形しないよう注意が必要です​​。

切削時は低めの切削速度・送りを心がけ、一度に削り過ぎないようにします。また切削油なし(ドライカット)でも加工可能ですが、長時間の連続切削では発熱を抑えるためエアブローで冷却したり、必要に応じ油性の切削油を少量使うこともあります(※水溶性クーラントは樹脂が水を吸って膨張する恐れがあるため避けます)。穴あけやネジ切り加工も容易ですが、後述するようにネジ山は樹脂では摩耗しやすいため、重要なねじ部には金属製インサート埋め込みを検討します。

 

溶接(樹脂溶接)

MCナイロン同士を接合する方法として、熱による樹脂溶接が可能な場合があります。具体的には、市販のナイロン樹脂用の溶接棒を用い、ホットエアガンやヒーターで溶かしながら接着する方法です。ただしナイロンは接着や溶着が難しい材料で、溶接しても強度が母材のようには出にくい傾向があります​。

そのため構造部品を製造する上でMCナイロンの溶接はあまり一般的ではなく、基本は一体加工で作るか、別パーツの場合はボルト・ナット留めや嵌め合わせで対応することが多いです。どうしても溶接が必要な場合は、事前に試験を行い強度や歪みを確認することが重要です。

 

熱処理・調湿処理

MCナイロンは切削加工後に熱処理(アニール)を行うことで、内部応力を緩和し変形を抑制できる場合があります。たとえば寸法精度が厳しい部品では、荒加工→焼鈍処理→仕上げ加工という手順を踏むことで、加工応力による歪みを低減できます。また調湿処理とは、納品前に部品を一定の湿度環境に晒すことで樹脂内部の含水率を安定させる工程です。

MCナイロンは乾燥状態ではカラカラに硬く、逆に使用環境で急激に吸湿すると寸法変化や物性変化が起こるため、予め使用環境に近い湿度に慣らしておくことで寸法変動を小さくできます​。例えば水に漬けて適度に吸水させてから出荷するケースもあります。その他、MCナイロンは切断・曲げ加工は困難ですが、削り出しでほぼ任意の形状が作れますし、必要に応じて表面を研磨したり穴あけ加工も問題なく行えます。

このように、MCナイロン加工は主に機械切削による成形が基本です。射出成形のような金型成型法は素材メーカーによる素材ブロック製造時のみであり、部品メーカーでは大きな素材から削り出すスタイルになります。逆に言えば金型を起こさなくても一品から製造可能ですので、小ロット生産には適しています。後述するように、発注先を選ぶ際も樹脂切削のノウハウが重要なポイントとなります。

 

MCナイロン加工のデメリット

吸水による寸法変化

最大の注意点は水分吸収による膨張です。空気中の湿度や水に触れる環境で、MCナイロンは徐々に水分を吸って体積・寸法が変化します。高湿環境で数日~数週間置くと、乾燥状態に比べ数‰~数%程度大きく膨張することがあります。

このため精密な寸法公差が求められる部品には不向きと言えます。乾燥→湿潤の変化でクリアランスがゼロになり動かなくなる、といったトラブルも起こりえます。ただ逆に、ある程度水分を含ませた状態にすれば靭性(ねばり強さ)は向上するため、設計時に吸水前提で寸法補正する方法も取られます。いずれにせよ吸湿対策は避けて通れない課題です。

 

強酸・薬品への弱さ

MCナイロンは有機溶剤や油には強いものの、酸性の薬品には弱い性質があります。希薄な酸なら問題ありませんが、濃硫酸や濃硝酸など強酸環境下では加水分解して樹脂が劣化してしまいます。同様に強アルカリにも長時間浸かると影響を受ける場合があります。薬品タンクや薬液ポンプの部品などに使う際は、薬品の種類と濃度を確認し、必要であればより耐薬品性の高い樹脂(PEEKやPVDF等)を選ぶべきです。

 

熱変形・耐熱限界

連続使用温度120℃前後というのはプラスチックとしては高い方ですが、金属と比べれば限定的です。またガラス転移点付近(100℃前後)から剛性が低下しはじめ、高温になるほどクリープ(長時間荷重による変形)も発生しやすくなります。高温環境や高負荷がかかる箇所では、MCナイロン製部品は経年でたわみや変形が起こる恐れがあります。耐熱グレードのMC602STなどを使っても150℃程度が上限であり、それ以上では樹脂材料自体の選択を見直す必要があります。

 

難接着・ねじ緩み

MCナイロンは表面エネルギーが低く接着剤が付きにくいため、接着による固定が困難です​。専用のプライマーや2液エポキシ系接着剤で一時的に接着できても、衝撃や環境変化で剥がれやすいため、構造的な接合には基本的に向きません。また樹脂は金属製ねじに比べねじ山が摩耗しやすく、緩みやすい欠点もあります。ボルトで締結する場合は緩み止め対策や金属インサート埋め込みが必要です。

 

燃焼性

ナイロンは可燃性があり、火がつくと燃えてしまいます。自己消火性グレードではない限り、防火が必要な用途には使えません。また燃焼時に有毒ガスを発生する可能性もあるため、火気に晒される環境では金属や難燃樹脂を選択するのが安全です。

以上のようなメリット・デメリットを踏まえ、MCナイロンは適切な用途で使えば非常に有用な素材です。次章では、こうした特徴を踏まえた加工コストの考え方と外注先選びのポイントについて説明します。

 

加工コストと外注先選定のポイント

MCナイロン部品の加工コストは、いくつかの要因によって決まります。また、加工を外部に委託する場合には信頼できる加工業者を選定することが重要です。ここではコストに影響するポイントと、外注先を選ぶ際のチェックポイントを解説します。 

加工コストに影響する主な要因

1.材料費:部品サイズに応じたMCナイロン素材(板/丸棒)の価格です。サイズが大きい・厚いほど高価になりますが、MCナイロン自体は比較的安価な樹脂です。ただし特殊グレード(摺動用や導電性など)は標準品より割高になる傾向があります。また、必要サイズより一回り大きい素材から削り出すため、素材取りのロス(歩留まり)もコストに含まれます。

 

2.加工工数:切削にかかる時間と手間です。形状が複雑であったり高精度を求めるほど加工時間が増え、コストアップ要因となります。例えば単純な板形状の切り抜きと、複数の穴あけ・溝入れ・ねじ切りがある部品では、後者の方がプログラミングや段取りも含めて工数がかかります。加工業者から見積もりを取る際は、図面を提示して加工内容を明確に伝えることで正確な工数計算がなされます。

 

3.精度・仕上げ要求:通常の切削で問題ない場合と、追加の工程が必要な場合でコストが変わります。例えば厳しい寸法公差がある場合、荒加工→歪み取り→仕上げ加工という二度加工が必要になることがあります。また表面粗さの指定があり研磨仕上げが必要だったり、組立てのための治具製作が必要になったりすると、追加コストとなります。要求精度とコストはトレードオフですので、必要以上に高い精度要求をしないこともコスト抑制のポイントです。

 

4.数量とロット:発注数量も重要です。一品ものか小ロットか、大量生産かで単価が変わります。一般に加工業者は数量が増えると段取りの効率が上がり1個あたりの単価は下がりますが、MCナイロン加工品の場合、あまりに大量だと射出成形など別工法に切り替えた方がコスト安になることもあります。MCナイロン加工は小~中ロット向きと言えます。発注時には試作段階→量産段階とスケールに合わせた見積もり提案を受けると良いでしょう。

 

5.付帯サービス:例えば材料選定のコンサル、試作検証、検査・測定データ提出、梱包や物流費なども総コストに含まれます。単に加工するだけでなく、要望に応じてこれら付帯サービスを提供してもらう場合、その分費用は上乗せされます。ただし品質保証や納期厳守のためには信頼できる業者の手厚い対応が不可欠です。価格だけでなくサービス内容込みで総合的にコストパフォーマンスを判断することが大切です。

 

外注先(加工業者)選定のポイント

小ロット~大ロットへの柔軟な対応力

まず、自社が必要とする生産規模に対応できる業者かを確認します。試作品1個から快く引き受けてくれるか、あるいは将来的に数百~数千個の量産にも対応可能な設備・体制があるか、といった点です。融通が利く業者であれば、開発初期の少量から量産拡大まで一貫して任せられるため安心です。

 

加工実績と技術力

MCナイロンの加工実績が豊富か、類似部品の製作経験があるかは重要な指標です。過去の事例や対応業界を確認し、自社の求めるクオリティを満たせるか見極めましょう。またゴムや他の樹脂など異種材料加工の実績もあると、複合部品の相談ができて頼もしいです。

技術力の高さは、例えば難しい形状でも図面どおり仕上げてくれるか、タイトな公差でも安定して量産できるかなどに現れます。可能であれば工場見学をさせてもらい、工作機械の設備状況や社内体制をチェックするのも良いでしょう。

 

一貫対応(ワンストップサービス)

原材料の手配から加工・検査・納品まで一貫対応してくれる業者は、調達担当者にとって心強い存在です。材料選定に迷ったとき最適なグレードを提案してくれたり、必要に応じて別の素材を代替提案してくれるような業者だと安心です​。

また図面がない段階でも相談に乗って試作検討してくれるなど、融通が利くパートナーだと開発をスムーズに進められます。見積スピードやレスポンスの早さも確認ポイントです。

 

物流・納期対応

特に関西圏の企業様の場合、自社便配送など独自の物流網を持つ加工業者だと納期対応力に優れるでしょう。緊急の注文にも柔軟に対応してくれたり、専任ドライバーが直接届けてくれる会社であれば、輸送上のトラブルも少なく安心です。納期厳守の姿勢や、万一遅れそうな場合の連絡体制など、信用できる相手かどうかを重視してください。

 

既存金型や図面の引継ぎ

もし以前に他社で製作していた部品の金型や図面がある場合、それらを引き継いで製造できるか確認しましょう。MCナイロン加工品は基本切削ですが、中には部分的に成形品や別部材を組み合わせていることもあります。柔軟に金型移管対応してくれる業者なら、乗り換えもスムーズです。

以上を踏まえ、MCナイロン加工を依頼する際は価格だけでなく技術力・対応力・実績を総合評価して選定することがポイントとなります。それでは次に、当社・前川化学工業株式会社が提供するMCナイロン加工サービスの強みをご紹介します。

 

加工事例(MCナイロン活用の一例)

京都に本社を置く前川化学工業株式会社は、工業用ゴム製品と合成樹脂製品の成型加工を得意とし、創業60年を超える実績を持つ企業です。原材料の選定・調達から加工・成型・量産まで一貫して対応できる総合部品メーカーとして、関西のお客様を中心に信頼をいただいております。

MCナイロンを含むエンプラ加工においても豊富な経験とノウハウを有しており、以下のような強みがあります。

ゴムと樹脂の一体成形対応

ゴム材料とプラスチック樹脂を組み合わせた複合製品の製造が可能です。他社では別々に作って組み立てるような部品でも、当社ならゴム成型と樹脂加工をワンストップで対応できます。例えばMCナイロン製のハブにゴム製タイヤを加硫接着した車輪や、樹脂プレートにゴムシールを一体成形したバルブ部品など、異材一体化によるコスト削減・品質向上を実現します。

 

小ロット~大ロットの柔軟対応

1個の試作品から数千個の量産まで、あらゆる生産ロットに柔軟に対応します。試作段階では迅速な加工とフィードバック、大量生産段階では専用治具の作製や自動化による生産効率アップなど、お客様のニーズに合わせた対応が可能です。「試作は10個、量産は1000個」といったケースでも、スムーズにスケールを拡大して供給できます。

 

原材料選定~加工・量産までワンストップ対応

原材料の調達ルートが広く、エンジニアリングプラスチックからスーパーエンプラまで網羅しています​。お客様から材質指定がない場合でも、要求される条件に合った材料を当社が選定・提案いたします。また、自社内にゴムと樹脂双方の加工設備を備え、金属加工や組立て工程も連携可能なため、一括で製品完成まで対応できる体制があります​。複数の外注先を管理する手間なく、当社にお任せいただければワンストップで完了します。

 

関西圏は自社専任ドライバーで配送

京都本社を拠点に、大阪・滋賀・兵庫など関西一円への納品は当社の専任ドライバーが直接お届けします。自社便配送により小回りの利いた納品が可能で、急ぎのご要望や時間指定にも柔軟に対応します。輸送中の品質管理も徹底しており、大切な製品を安全・確実にお届けします。

 

金型移管にも対応

現在使用中のゴム金型やプラスチック成形用金型を当社へ移管して生産を継続することも可能です。他社が廃業・撤退して困っているといったケースでも、図面や金型をご提供いただければ当社で生産を引き継ぎます​。過去の製品で図面が無い場合でも、現物からリバースエンジニアリングして図面化するなど対応いたします。

 

工場見学も可能

前川化学工業ではお客様との信頼関係を大切にしており、希望されるお客様には当社工場の見学を受け入れております。実際の生産ラインや品質管理の様子をご覧いただくことで、当社のものづくりへの姿勢を感じていただけます。遠方の方でもオンラインでの工場紹介等、ご相談に応じます。

 

資料請求・技術相談も歓迎

MCナイロン加工やその他ゴム・樹脂加工に関する技術資料や製品サンプルのご提供も可能です。また、「このような部品は作れる?」「材料選びに迷っている」といった初期段階のご相談もお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが対応し、最適なソリューションをご提案いたします。

当社の強みを活かし、お客様の課題解決につながる高品質な製品づくりをお約束いたします。

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前川化学工業のMCナイロン加工における強みと特徴

最後に、MCナイロンを使用した加工事例の一部をご紹介します。当社で対応した類似ケースや想定される活用例です。

事例1 金属ギアからMCナイロンギアへの置き換え

ある包装機メーカー様では、ブロンズ製ギアの摩耗粉による製品汚染とグリス漏れにお困りでした。そこでギア材質をMCナイロンに変更し、グリスフリーでも滑らかに動作する設計に変更。結果、潤滑メンテナンスが不要になり、摩耗粉の発生も激減しました。さらにギア重量が約1/7になったことでモーター負荷が軽減し、駆動効率アップにも寄与しました。少量生産の機械でしたが、金型不要の切削加工で1個から対応でき、コスト増も抑えられました。

 

事例2 ゴムと樹脂の複合ローラー開発

食品製造ラインの搬送ローラーとして、表面は弾性ゴム、芯材はMCナイロンという複合ローラーを開発しました。従来は金属芯にゴムを巻いていましたが、重量を減らして作業者の交換負担を下げる目的でMCナイロンを芯に採用。MCナイロン製の芯軸を当社で精密切削し、その外周に食品機械適合の白色ゴムを一体加硫成形しました。ゴムと樹脂の接着は難しい部分もありましたが、自社内で両方の加工工程を統合することで高い接合強度を実現。最終的に従来比30%の軽量化に成功し、取り換え作業性が向上するとともに、回転部分の慣性が小さくなり省エネにもつながりました。

 

事例3 試作治具へのMCナイロン活用

自動車部品メーカー様の開発部門では、試作品評価用の治具をアルミからMCナイロンへ変更しました。アルミ製治具は加工費が高く製作に時間がかかっていたため、強度に問題ない箇所はMCナイロンで代用したものです。治具の大型プレート部分やクランプ部にMCナイロンを使用した結果、加工リードタイムが半減しコストも削減。さらに樹脂製のため作業者が取り扱いやすく安全性も向上しました。

当社では図面段階から材質変更の提案を行い、必要に応じ金属補強を入れる設計見直しもサポートして、無事に要求を満たす治具を短納期で納入しました。 上記のように、MCナイロンは金属代替によるメリット創出や複合材による性能向上など幅広い応用が可能です。当社では他にも多数の実績があり、お客様の業種や用途に応じた最適な加工方法でご要望にお応えしています。

 

MCナイロン加工なら前川化学工業へ

MCナイロン加工の特徴やポイントについて解説してきましたが、実際に採用を検討される際は経験豊富なパートナーと相談しながら進めるのがおすすめです。前川化学工業株式会社では、長年培ったゴム・樹脂加工のノウハウを活かし、お客様のご要望に最適な材料選定から加工方法までトータルサポートいたします。小さな部品一つから大掛かりな製品まで、「こんなもの作れるかな?」という段階からぜひご相談ください。

当社の強みである一貫生産体制と柔軟な対応力により、MCナイロン加工品でも高品質かつコストバランスに優れた製品提供が可能です。関西エリアのお客様はもちろん、全国からのお問い合わせにも対応しております。資料請求やお見積り依頼、技術的なご質問だけでも歓迎いたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。